English original
南氷洋特急に乗って突っ走る。
10月23日
一旦、彼らが南氷洋に着くと、単独航海のセーラー達は低気圧と1か月かそれ以上戦わなければなりません。トリスタングクーニャ諸島(南大西洋:イギリス領)とゴフ島(同350km先)からホーン岬にかけて、彼らは南極大陸氷から流れてくる氷への立ち入り制限区域を作る氷の壁に沿っておよそ12,000マイル航海します。これはインド洋の荒れた海と長い太平洋のうねりの中で最もきつい場所です。一旦、南氷洋を離れると、彼らには、南アメリカ大陸沿岸、そしてバンディグローブのフィニッシュラインを形作る有名な南標識ブイに至る北太平洋を上っていく、7,000マイルが残っています。
およそ1か月のうちに、挑戦者たちは寒いバンディの天候から、赤道の灼熱の気候へ入ります、そして、熱帯の激しいスコールから南極の氷の寒い気候に入っていきます。南氷洋は世界一周航海のおよそ5分の3を占めます。そこは、ブラジル、マダガスカル、ニュージーランドで発生する低気圧の連続地帯です。追風の連続で、高気圧から延びる触手に吸い上げるのではなく、一つの低気圧から別の低気圧に滑り移るという、嫌な仕事をセーラー達に押しつけます。強い北西の風による、目の前を通過する厳しい西からのスコール、そして冷たい南西の風に変わります。これらの変化は単独航海のセーラーたちと彼らのボートにとっては非常に厳しいことです。
今日では、氷山はレース役員によって避けられています。氷の立ち入り禁止区域が南極大陸の周りに、クローゼー諸島(マダガスカルから南極大陸の間にあるフランス領の島)に近い、南緯45.5度からケープ岬の南緯68度まで設定されています。このことは、マスカリン高気圧(インド洋南西マダガスカル東方沖)とイースター島(太平洋)のより高い位置のルートを取りなさいということ意味しています。過去7回の大会では南氷洋では優勝して戻って来る人は決して決まりませんでしたが、これは今年の南氷洋の夏では変わるかもしれません。トップを走る人たちが高気圧の尾根にはまるかもしれません。一方で、彼らを追いかけている人が、低気圧の優位性を得ることができるかもしれません。
長い帰り道
海上で50日以上たって、ホーン岬を回ると、ダメージを受けるリスクも下がり、天候も回復して、そのおかげで、ストレスのレベルもすごく下がりますが、実際には、競争相手が戦いを取戻そうとしているならば、レ・サーブル・ド・オロヌまでの残り7,000マイルは容易ではありません。一旦彼らが航跡のなかにパタゴニア(南アメリカ大陸の南に位置する)をとらえたら、再びセント・ヘレナ高気圧をの周りを周り、そしてブラジルから吹き降ろす雨の多い低気圧帯を通らなければなりません。それは、強く、多種多様な向かい風で、しょっちゅう変わる風で、そして取り組む最前線だ、ということと同義語です。別の言葉で言うと、容易な作業ではないということです。
やがて、無風地帯が水平線に現れる前に、多かれ少なかれ視野の中にブラジルの沿岸が現れます。ここでは、彼らは、アゾレス高気圧が作り出す東の風をつかまえる前に、フェルナンド・デ・ノローニャ島(ブラジル領)の西を通り抜けます。この地域の高気圧は時々、カリブ海まで伸びたり、2つにわかれてそこを動き回るか、ヨーロッパに向かい縮小するかをします。どの場合でも、セーラー達は、彼らが大西洋の低気圧を最終的につかむまでは、凪にはまるのを避けねばなりません。低気圧は1月は、彼らが南氷洋で体験したよりももっと今までにないぐらい恐ろしく強力です。ついに、75日から80日間海上にいたのち、2016年バンディグローブの優勝者は最終的にレ・サーブル・ド・オロヌ沖のバンディグローブのフィニッシュラインを形成すSouth Nouch ブイを見分けることができるようになります。
航海はおもに追い風で帆走します、しかし、この第8回大会では初めて、南氷洋ではより違った状況がおこります。単独航海のセーラー達が南極大陸をさけるために設定された立ち入り禁止区域と戦いながら競争すると、インド洋と太平洋の高気圧が単独航海のセーラー達の通過を妨げるかもしれません。勝つためにはすべてのことに配慮しなければなりません。
記事:Dominic Bourgeois / M&M
翻訳:Watson Courtier
as of Nov.2 2016.