別の土地との境界:フェネステール岬

The Other Land's End


English Original

別の土地との境界

11月7日

 

スペインの北西の端はひどい評価を持ちますが、まったくその通りの場所です。大西洋に面し、この岩だらけの沿岸線に沿っていくつかの避難場所があります。天気は非常に変わりやすく、低気圧によって大きなうねりと波が渦巻いています。

 

多くのレースで、レースコースのこの部分は単独航海のセーラーにとって困難の原因になってきました。フェ二ステレ岬は二つの気候の間の境界線を作ります。一方には、アゾレス熱帯高気圧があります。それは夏にはそこまで伸びてきますが、冬にはユーラシア大陸高気圧の影響を受けます。しかもそれはニューファウンドランドからやって来る大西洋低気圧に門戸を開いています。この岩の丘陵に沿って、大西洋からの滅多打ちする暴風によって、変化がもっとも目立つのは、春から秋の間の季節の変り目の間です。

 

ここの海の深さの変化と、強い海流と潮が危険な海を生み出します。Beaufortでの、風力2か3かもっと強い風によって、40マイルの幅で荒れた海はEstaca de Bares とフィニステール岬のおよそ100マイルの間では日常茶飯事です。一方で大西洋の外やビスケー湾では波は穏やかです。

 

ピレネー山脈で大西洋と地中海の間の壁を構成するスペイン半島は北へ、そしてやがて山岳地域の、カンタブリア州、アストゥリアス州、ガリシア州へ至ります。この地域は海洋性気候と大陸性気候の間の境界線を作ります。しかし、同時に北アフリカの熱帯小高気圧と西ヨーロッパの温暖な気候でできる低気圧の境界でもあります。このことはカンタブリアの沿岸では相対的に高気圧(平均1016から1020ヘクトパスカル)の代わりに雨の多い温暖な気候であることを意味しています。特に高気圧がユーラシア大陸を覆う冬の間に顕著です。天気の状態は4つの空気の固まりの影響で異なり、スペインでは大変に考慮すべきことになっています。

*東ヨーロッパ大陸から来る冷たい空気、乾燥し安定して、冬の月間に冷たい天候と北東からの風をもたらす特徴がある。

*北アフリカ大陸からくる熱帯の空気、乾燥し安定して、夏の月間に、暖かい気温と東南の風をもたらす特徴がある。

*大西洋からくる海洋性の熱帯の空気、湿って、暖かく、不安定で、曇り空と穏やかな天候と南南西の風をもたらす特徴がある。

*北大西洋からくる冷たい海洋性の空気、冷たく、不安定で、多くの積雲と激しいスコールと西北西の激しい風をもたらす特徴がある。

 

特筆すべき対比

 

冬の間の、第8回バンディグローブの初めの数日、比較的高い沿岸の輪郭に沿って、オルテガル岬とフィニストレ岬の間で200mから500m以上に達する北の風が現れます。風は、La coruna (ア。コルーニャ:スペイン北端の港町)からスペインの端まで北東から40マイルの幅で沿岸に沿って、吹きます。良い視界といい天候になります。地域によっては霧が湾に現れます。(例としてLa Coruna湾)夜の陸からの風よりも、熱い風が夏の日中、海から現れます。それは北から北西に吹く優勢な風を補強しています。暑い夏には、海の風と東の風がぶつかって、激しい雷雨があります。この8月9月のスコールの天候は沿岸の狭い場所にだけに影響し、普通夜に発達します

 

冬には、大西洋低気圧が南西から北西の風で沿岸を襲います。一般的には、日中は多量の雨と低い雲を伴った南からの風が吹きます。これは幾日間、風の強い日が続き、急に向きを南西にかえます。それは激しいスコールを伴った冷たい気温の前線とともに、徐々に西から北西に変わってゆきます。もし風が北または北東へ急に向きを変えずに数時間で消えると、南西の風に戻り強まります。そして他の低気圧と寒冷前線が前途にでます。このパターンは数週間続きます。それは全てのセーラー達がLe Coruna湾(ア・コルーニャ:スペインの北端)で避難をするのを妨げます。これはMini-Transatレースで起こりました。単独航海のセーラーが8日以上待たされました。ユーラシア高気圧が居座ると、風は軽く南西からの風になる傾向があります。それはしばしば沿岸に沿う霧を伴います。

 

TSSの内側か外側か?

 

ブルターニュの端から、そして、レ・サーブル・ド・オロヌからおよそ350マイルのフェニステレ岬から、セーラー達が、もし、最も短いルートを取るとすると、スペインの沿岸に沿っておよそ100マイル帆走しなければならないことを意味しています。大陸棚はここでは、わずか20マイルの狭い幅でしかありません。フェニストレ岬から40マイルはなれると深さは3000mになります。しかし、この岬とEstaca de Bares との間では、傾斜がきつくありません、そして、天気は穏やかですが、浅瀬のある無秩序な海が続きます。

 

それゆえに、天気予報がどうであろうと、ガリシアに向かうのにもっと沖合を走るのが好ましいことになります。彼らは同時にTSS レーンを避けねばなりません、それはバンディグローブの挑戦者たちにとっての立ち入り禁止区域です。どんな違反行為もペナルテイを受けることになります。フィニステール岬はアフリカと地中海からイギリス海峡へ戻って来る航路の上にあります。このレーンは岬からわずか10マイル離れたところから沖合に20マイル行ったところまでに設定されています。ここには、La Coruna(ア・コルーニュ)または、南フィニステール岬の南からの多くの漁船と一緒に、多くの船舶が航海しています。北東からのほどよい風に乗って、この地点にすごく近寄るのもいい考えかもしれません。一旦フィニステール岬を通過すると、海は穏やかで非常に静かです。しかし、常に見張りが必要です。Kito de Pavant は2012年の大会でここで漁船に衝突しました。

 

記事:Dominic Bourgeois

翻訳:Watson Courtier

as of Nov.8 2016.