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挑戦者魂
10月25日
レ・サーブル・ド・オロヌで初めてのバンディグローブ出航へ準備を重ねているのは彼の30年来の夢の実現そのものです。彼のレースは彼の師、多田雄幸氏の特筆すべき遺産をたたえることなのです。多田さんは東京でタクシーの運転手をして生計をたてながら、1982年から1983年の最初の世界一周レースBOCチャレンジに参加し、Class2 で優勝しました。その時、同じくPhilippe Jeantot (Vendee Globe の創設者) がClass1で優勝したレースです。彼らは親しい友達になりました。そして多田は最初のバンディグローブにどうしても参加したいと思いました。しかし、資金が集まりませんでした。ただは著名な画家で、詩人で、著作家で、サキソホンを奏でる音楽家でもありました。彼は1990-1991年のBOCチャレンジの途中、シドニーで自ら命を絶ちました。彼の50フィート艇「KodenⅦ」が3回転覆しキールを失い、そのことを苦にしての結果でした。
白石康次郎は多田氏の主要な陸上チームのメンバーでした。そして彼は自分の遺産と魂を、2003年の単独世界一周レース・アロウンドアローンでオープン40のClass2で4位、そして、2006年の単独世界一周レース、VELUX 5 OCEANS のClass1 でBernard Stamm に続いて2位に入賞して築き上げました。
彼はバンディグローブに2回の成功した世界一周レースの実績を武器に、良さが証明済みの Farr (設計者)デザインのIMOCA艇「Spirt of Yukoh」を駆って乗り込んできました。このボートは数奇な経歴を持っています。イギリスのCowes (ワイト島)で「Estrella Damm号」として建造され、やがてSebastien Joss (フランス人)の「BT号」となりました。BTは2008年2009年のバンディグローブ・レースの最中、舵に損傷を受け、オークランドで棄権しました。しかし、2011年までに、Alex Thomson のために完全に再生され、強化され、2011年のJacques Vabre 大西洋横断レースで完走しました。そして、前回のバンディグローブ・レースで「Hugo Boss号」として3位に入賞しました。
そしてもっと最近ではバルセロナ世界レースで Guillermo Altadill と Jose Munoz Neutrogena が乗って2位に入賞しました。
この夏、白石康次郎が手に入れた2007年製のFarrデザインのIMOCA60に乗って、ニューヨークバンデイレースで7位でフィニッシュしました。
白石艇の歴史
レ・サーブル・ド・オロヌの秋の暖かい日差しの中で、バンディグローブにかつて挑戦したことのない、このアジアから初参加の単独航海セーラーの顔に浮かんだ笑みは、いつもより大きく見えました。いろんな備品を混ぜたという意味は、彼は主要なウインチドラム(シート類をまくウインチの円型の装置)を2013年の記録保持者 Francois Gabart の 優勝艇、IMOCA60艇、Macif号から Spirit of Yukoh 号に移したことを意味しています。
「おそらく今、私はFrancois より速く走れます。おそらく私は80日以下で回ってこれるでしょう。」白石康次郎はニコッと笑いました。彼の興奮は港の多くの群衆にも思わずつられて広がりました。「私はここに来られてすごく幸せです。これは、私が師匠の多田雄幸さんからこのヴァンディグローブのことを聞いて以来、30年抱き続けた夢なのです。そうしてここにいられるのが本当に信じられません。」彼は説明をします。「私はこの間、この夢を頭にずっと抱き続けてきました。私は彼と一緒にいる感じがします。そして私は多田さんを称えて Spirt of Yukou の名前を艇に付けることを許してくれたスポンサーの方々に感謝しています。幸せです。彼らはこの物語を理解し、敬意を払ってくれています。」
彼は特にフランスの整備士を中心に良いチームを持っています。そしてボートはいい状態になっています。「まったく100%準備が完了しているわけではありません。しかし、私はいつも調整をしています。そして、私が戻って来るまでには完全に出来上がっていると確信しています。大きなやり残しはありません。全て順調です。ニューヨーク・バンディ・レース以来、私たちはいくつかの新しいロープとセールを手に入れました。ノース・セールズの5枚のセールを持っています。それは、3Di(3次元映像)で設計したより軽いメインセール、J1、J2、J3、のジブセールと突風受けのブラスト・リーチャーです。すべて新品です。特にそれらを手に入れた目的は、乗り越えるためです、例えばブラスト・リーチャーはがっしりしています。それは大変強く固いのです、なぜならそれは重要だからです。私はセールメーカーと話し合い、目的はフィニッシュすることだ、そのため、セールは全て少しだけ強く重くしてくれるように頼みました。」
今までに、問題がないことは証明され、彼が手に入れて以来ボートに行われた変更は相対的にマイナーなものでした。「バンディグローブとバルセロナ・ワールド・レース以来、ボートに多くの変更はありません。アレックスがすべてのロープを操舵室に寄せていましたが、私には少し使い勝手がよくありません。そこでそのうちのいくつかをマストの根元に移しました。私は時々マストに昇れて幸運でした。なぜなら、私は見てチェックしたいと感じていたからです。私は多くのことをアレックスから情報を得ました。このボートは大変に強靭だと思います。アレックスでも壊せなかったということは私に取っていいことです。」彼は運と幸運の女神を固く信じています:「このボートは何か幸運を持っているような気がします。私は良い縁を強く感じています。バンディグローブと単独航海では運が全体の2割を占めると思います。しかし、本当に何が起きるかわかりません。そこで運をつかむことが必要です。私は襲いかかる自然に歯向かおうとは思いません。天が私に味方しています。」
彼のバンディグローブでの追跡は日本の主要なテレビ局が行っています。「多くの興味を日本の主要なテレビ局が持っています。NHK、テレビ朝日、テレビ朝日は少なくとも1回のライブ・インタビューを全レースコースの中で行う予定です。これは大きく、彼らは夜のニュース番組で多くの視聴者を持っています。そして、NHKはBBCのような放送局ですがバンディグローブが終わって3回に分けてドキュメンタリーを放送する予定です。私は4Kカメラで映像を取ります、そして彼らは超高感度画面でそれを流します。」彼はまとめました。「スタートラインに立つということは驚きです。私は武士道精神に則ってその日出航します。待ち遠しいです。」そしてスタートまで12日になって、彼はバンディ村での絶え間ないキッスとストレスから逃げる時間を持ちたいとは思わないのでしょうか?「休みはありません。死ぬまで休みません。」
記事:Andi Robertson / M&M
翻訳:Watson Courtier
as of Oct.26 2016